グローバルヘルスとは、国際的な視点から人類全体の健康を促進し、感染症対策、医療アクセス向上、健康格差縮小、環境健康など幅広い課題に対処するための取り組みです。世界には様々な健康格差が存在し、特に低所得国では予防可能または治療可能な疾患による死亡が全体の半分以上を占め、その90%が低所得国で発生しています。

健康と福祉に対するグローバル対策の必要性として、まず、感染症の国際的な拡大があります。エイズ、鳥インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症のように、現代の交通手段の発達により病気が瞬く間に世界中に広がる可能性が増加しています。この課題に対して、一国や二国間の対策では不十分であり、国際的な協力が不可欠です。

また、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ（UHC）の実現も必要です。UHCは、すべての人が質の高い保健サービスを受けられ、そのサービス利用に際して財政的困難に陥らないことを目指しています。達成するためには、各国の保健システムの強化と国際的な支援が必要です。

日本の経験を活かしながら、各国がUHCを達成するための協力を続けることが重要です。

健康格差の解消も挙げられます。低所得国と他の国々との間に存在する健康格差を大きく解消することが重要です。医薬品やワクチンへのアクセス改善、医療従事者の教育と研修、サプライチェーン管理、革新的財政支援などが含まれます。国際社会全体での協力と支援が不可欠です。

CoreV SDGsでは、環境と健康の関連性への対応を重視しています。近年、プラネタリーヘルス（地球の健康）という概念が国際保健の一部として考えられるようになりました。

気候変動や環境汚染が健康に与える影響に注目し、環境と健康の両面からのアプローチが必要です。様々な分野の専門家や国際機関、非営利団体、政府、企業が協力して取り組むことが求められます。

今、グローバル対策を通じて、世界中のすべての人々の健康と福祉の向上を目指すことが、国際社会の重要な課題となっています。

持続可能な都市づくりは、環境、社会、経済のバランスを取ることで、将来の世代にも負担を与えない都市の開発を目指します。資源の有効活用、エシカル消費、企業の責任、消費者の意識改革、政府と国際社会の役割を通じて、持続可能な都市づくりをコミュニティ全体で実現します。

●資源の有効活用と環境保護へ

持続可能な消費と生産: 大量生産・大量消費のパターンは環境問題を引き起こしています。持続可能な消費と生産のパターンを確立することが重要です。

エシカル消費の推進: 消費者が環境や社会に配慮した商品やサービスを選ぶことで、企業の生産パターンを変え、持続可能な社会に貢献できます。

●企業の責任と取り組みから

省資源で高品質な製品: 企業は、環境負荷の低減や資源効率の向上を目指すべきです。再生可能エネルギーの利用や廃棄物の削減が求められます。

サプライチェーンの持続可能性: 企業はサプライチェーン全体で持続可能性を確保する取り組みを行う必要があります。

●消費者の意識改革と政府の役割を利用

消費者の行動変容: 消費者はリサイクルや廃棄物の削減を意識し、環境に配慮した製品を選ぶことで持続可能な消費に貢献できます。

政府と国際社会の役割: 政府は持続可能な公共調達を推進し、環境規制を強化する必要があります。国際社会全体で知識や技術の共有を進め、グローバルな課題に協調して取り組むことが重要です。

●持続可能な都市づくりへの参加

持続可能な都市計画: 環境に配慮した都市計画を通じて、エネルギー消費を削減し、自然環境を保護します。

コミュニティの参加: コミュニティの参加を促進することで、都市開発が住民のニーズに応じたものとなるようにします。

グリーンインフラの整備: 公共交通や緑化された建物を整備し、環境負荷を軽減します。

CoreV SDGsは、気候変動対策に取り組むことで、世界の活力ある社会を実現し、持続可能な未来を確立することを目指しています。

気候変動対策には、「緩和」と「適応」の2つのアプローチがあります。

CoreV SDGsの取り組み

・健康と福祉への対応

・気候変動対策への取り組み
・技術革新（イノベーション）

・国際協力の促進
・SDGsの17の目標に関連するプロジェクト

など

CoreV SDGsは世界の持続可能な発展に貢献し、気候変動の影響を軽減しつつ、活力ある社会の実現を目指すことができます。

持続可能社会の実現に、産業の発展と技術革新が不可欠です。SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくる」では、レジリエントなインフラの構築、持続可能な産業化の推進、そしてイノベーションを促進することを目的としています。

インフラと産業化、そしてイノベーションによる変革で、経済成長だけでなく環境保護や社会的包摂にも寄与します。政府、企業、市民社会が一体となって取り組むことで、より良い未来を築くことができるでしょう。

①持続可能なインフラ整備・インフラ設計
持続可能な都市や地域社会を支えるためには、輸送システム、エネルギー供給、情報通信技術（ICT）ネットワークなどの基盤となるインフラを構築することが必要です。特に開発途上国では、これらのインフラ整備が経済成長や社会的包摂に直結します。インフラ整備においては、省エネルギー技術や再生可能エネルギーを活用することが求められます。例えば、浮体式風力発電やグリーン水素技術など、新しいクリーンエネルギー技術が注目されています。

②国際的な技術協力
開発途上国への資金援助や技術移転は、持続可能なインフラ整備を促進する鍵となります。特にアフリカや小島嶼開発途上国では、支援が不可欠です。

③循環型の経済モデルと地域経済への貢献
資源効率を高めるために、製造プロセスやサプライチェーン全体で廃棄物削減と再利用を促進する必要があります。例えば、トヨタはリーン生産方式を採用し、廃棄物削減とエネルギー効率向上を実現しています。地域社会との連携による産業化も重要です。中小企業やスタートアップが金融サービスや市場へのアクセスを得られるよう支援し、多様な経済活動を促進します。

④環境配慮型製品の開発と投資
持続可能な製品開発も産業化の一環です。例えば、カーボンネガティブコンクリートなど、新しい素材開発が環境負荷軽減に寄与しています。技術革新は持続可能な社会への変革を加速させます。世界的には研究開発（R&D）への投資が増加しており、新しいイノベーションエコシステムが形成されています。

⑤デジタル技術の活用・包括的なイノベーション推進
IoTやAI、大規模データ分析などのデジタル技術は、農業から製造業まで幅広い分野で効率性向上と環境負荷軽減に貢献しています。特に精密農業では、生産性向上と資源節約が実現されています。イノベーションは単なる技術的進歩だけでなく、社会全体に利益をもたらすことが求められます。企業と政府、学界が連携し、新しいソリューションを共同で開発することが重要です。