SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」は、地球規模での気候変動とその影響に対処するための緊急対策を講じることを目指しています。目標が設定された背景には、深刻化する気候変動問題があります。

気候変動は、先進国も開発途上国も関係なく、世界中のあらゆる地域に影響を及ぼしています。温室効果ガスの排出量は1990年と比較して50％以上増加し、現在も増え続けています。地球温暖化が進行し、海面水位の上昇、異常気象の頻発、生態系の破壊など、様々な問題が顕在化しています。これらの影響は、農業生産、飲料水の確保、エネルギー供給、インフラなど、私たちの生活を支える多くの分野に及んでいます。

気候変動対策の重要性は、パリ協定において明確に示されています。協定では、「産業革命前と比べて世界の平均気温の上昇を1.5℃未満に抑える」という長期目標が掲げられています。この目標を達成するためには、2100年までに温室効果ガスの排出量をゼロかマイナスにする必要があります。また、2050年までに温室効果ガスの排出量を80％削減するという中期目標も設定されています。

気候変動対策には、緩和策と適応策の両方が必要です。緩和策としては、温室効果ガスの排出削減や再生可能エネルギーの導入などがあります。一方、適応策としては、気候変動の影響を受けやすい地域やコミュニティへの支援、自然災害に対する防災対策の強化などが挙げられます。

気候変動問題の解決には、国際社会全体での取り組みが不可欠です。各国政府だけでなく、企業、研究機関、市民団体、そして私たち一人一人が協力して行動を起こす必要があります。個人レベルでは大量消費を抑制し、企業レベルでは生産活動における環境負荷を低減するなど、それぞれの立場でできることから始めることが重要です。


気候変動対策は、私たちの未来と地球の持続可能性を守るために、今すぐに取り組むべき喫緊の課題なのです。